エンジニアリングリスキリング-現象の本質を学ぶ
自然と日本人
日本は地震国、火山国ことに加え、温暖湿潤気候に属すので熱帯低気圧(台風)が発生し、亜寒帯に属す北日本では大量の雪が降る、非常に多彩な自然現象がみられる国です。日本人は大昔からこの苛酷な自然のなかで生活してきました。 ところで、明治の先人は"Civil Engineering"を「都市工学」と直訳せず、「土木」の語を宛てました。「土木」と訳した背景には、自然は、対峙するものではなく謙虚にうけいれ共存し、時に畏怖するものという、日本人独自の自然観があるのではないでしょうか。
構造と自然現象
建築、土木を問わず、人のつくった「構造物」には自然現象がもたらす力に耐えることが必要とされます。「完全無欠の構造物」は作れないかもしれませんが、自然の猛威にたいして「けっこう耐える」ものは作れます。そのためには、自分(構造物)がどれだけのポテンシャルを持っているのか、襲ってくる相手(自然)がどんなものなのかを知ることが肝要です。 建築土木では、主に地震、風、雪、水、土、火のことをよく知ることで、丈夫で合理的な構造物をつくることができます。
風の講習(流体の挙動)
質量の軽い膜材やネットは、風の影響を受けやすい素材です。建物の形が単純であれば、一定の規準に基づく耐風設計により安全性を確保できます。しかし、複雑な形の建物、複雑な地形に建つ建物では、より実態に即した風の影響を考慮した耐風設計が必要です。 当社では、風に対する安全性や技術を深化するため、定期的に専門家からの講義をうけています。「流体」としての風について、日大でも教鞭をとられた丸田先生が講義してくださいました。